こんばんは、ネウボラの酒井です!
乳腺炎といえば、痛い、怖い、嫌なものですよね。

 

よくある初期の乳腺炎はお乳の風邪のようなものです。
不測にも乳腺炎になった場合、どうすれば良いのか。

 

まず、大前提として言えるのは乳腺炎を治すのは自分の体だということです。
なので第一優先は「ホームケア」です。ちゃんと出来れば究極、どこに行かなくても家で治ることもありえます。
初期の乳腺炎はお乳がどこかに偏って溜まることで起きるので、とにかく赤ちゃんに飲んでもらうこと、風邪を引いた時と同じように安静にして水分をしっかり摂り温めて休養することが何よりです。

 

助産師の手技やマッサージは自然治癒力を促すためのものです。
しこりが出来る原因が赤ちゃんの飲み残しだったりするので、そこを循環を促して排出するという地味でシンプルなケアです。
お節介にも、乳腺炎後にもちゃんと授乳が続けられるように支援するのが助産師の仕事です。

 

病院で医師が行う検査や処置・投薬は医師にしか出来ません。主に、
①病気が隠れていないか(ふつうの風邪のような乳腺炎ではないということがないか)の診断
②抗生剤や解熱剤などの投薬です。

①の悪い病気が心配だったら乳腺外科を受診するのがもっとも安心です。
授乳中に病気が見つかることはとても稀ですが、ありえないことではありません。
②に関しては初期の乳腺炎の殆どが治るのにクスリは必要ありません。
そのため②は患者さんの状況次第で医師が判断し、処方されない場合もあります。

 

 

風邪も、熱も、痛みも、炎症も悪者ではありません。
身体が自分で治ろうとしている神秘的で大切な働きです。
野口整体の野口晴哉先生が、風邪は「治すもの」でなく、「経過するもの」と仰っていて、なるほどと思いました。
よく経過させることで身体は一層丈夫になりますし、発熱はがん細胞を死滅させてくれるメリットもあるそうです。
乳腺炎もうまく経過させられたら、自然な力では排出されなかったものがデトックスされて、乳腺炎の原因となる習慣も改まって、さらに健康に近づくはずです。

と、おそらくこれは割と正論なのですが・・・

 

 

私には良くも悪くも心の中に「誰もが本当は幸せに母乳育児したいはずなんだ!」という楽天的な説があります。
なので私はつい良かれと思って、手技に通ってもらって乳腺炎じゃないお乳の方も良くなって、乳腺炎予防もしてより良い授乳ライフを送ってもらいたいと無意識に思ってしまいます。

確かにそれは理想なのかもしれませんし
神様に誓って本当は必要ないと思う方に来てもらったことはないんですけど、

 

 

それ以前に「ふつうに過ごしたい」「休みたい」「楽したい」「大切にされたい」「自分が認められたい」「好きなことしたい」など人のもっと根底にはいろんな欲求や思いがあります。
物理的にお母さんになったからと言って誰もが急に身体も心もついて来られる訳ではないわけです。

 

 

なので、風邪くらいで病院に駆け込む必要がないとか、風邪にクスリが不要であることが正論だとしても、不安な人には不安な訳で、不安が続けば本当に身体は悪くなってしまうものです。経験を重ねてちょっと熱出したくらいで慌てなくなってきたら少し器が広がったと前向きに捉えて、いつかは化学に頼らずに自分で元気になれると信じて次に生かしたいものです。

 

 

なので、結論として乳腺炎かもと思った場合には、どれか1つだけを選ばなくてもいいのでぜひ①から③のことを検討してみてください。

 

 

①自分の身体を治すのは自分次第だということを忘れない
②助産師のケアはお勧めだが、地味な方法なので回数がかかる場合もあるし色々お節介を焼かれる場合がある
③こわい病気も心配だったらこの機会に一度親切で信頼できる乳腺外科の先生にかかる(できれば簡単にはクスリに頼らないよう心がけるとよい)

 

 

ご縁あってネウボラに来てくださった方には、誠心誠意、幸せな授乳期を送っていただくことを目指して支援させていただきます。

余談ですが私は天性の楽天さ?で理想と現実との壁に猪突猛進してしまう少し不器用なタチです。
ひょっとすると頭の中がディズニープリンセスみたいな感じなのかもしれません。
本気で信じていれば叶うと思っているところがあって、
人を選んでほどほどに使い分けるようなことが出来ない性分です。
なので大きな病院での勤務のように、「本当に必要なこと」と「便宜的、機能的に必要なこと」が入り混じる環境で自分の思いにそぐわない仕事を卒なくやるのが本当に苦手でした。

今の助産院での仕事は本当に幸せでやりがいを感じていますし、心を込めて一生懸命働いています。
そのため来られているお母様に不本意な辛いことがあると本当に一緒に辛くなっています。
人としては悪くないことかもしれませんが、プロとしてはそれでは本当は未熟ですよね。
お産を取り扱って命まで預かっていたら、今の自分の性格だと身が持たないだろうなと思います。
助産師になって12年、自分の助産院を始めてもうすぐ5年になりますが、人には人の常識があって、理想と現実には大小様々な乖離があるということを、地に足をつけて学んでいかないといけません。。。