先日、「母乳育児を続けながら上手に食べられるお口を育てるには?」のテーマで教室をさせていただきました!
おかげさまの満員御礼でネウボラに来てくださってる方3組と、赤ちゃん歯科に来てくださってる方3組のお母様、お父様、赤ちゃんにお話しさせていただきました。
お口の発達や食べ方については、私もまだ勉強を始めて日が浅いのでしっかり噛み砕いてお伝えできなかった部分もありますが、みなさんいいお顔で聞いてくださっていたのですごく嬉しかったです。
人の育ち方は人それぞれで、ただ一つのはなまるルートがあるわけではないと思うので、深掘りしていくほどにこれといってはっきり言えることが少なくなってくるように思います。
「子育て」より「子育ち」だなんて言いますが、子どもはちゃんと生きる力や育つ力を持って奇跡的に生まれてきてくれた存在だと思います。
なので、「育てる」というのはちょっと上から目線なのかもしれないですし、
子どもの育つ環境をなるべく整えたところであとは信頼して待つ、というのが親の役割なのかもしれません。
そんな目線で考えると、
離乳食のスタート時点の目的は
「母乳で足りなくなる栄養を摂らせる」のではなくて
①「赤ちゃんが母乳に加えてさらに栄養が必要だと感じた時によい栄養を摂れるような環境を用意してみる」
②「食べる意欲が育まれる環境を用意してみる」
③「食べる技術が育つ環境を用意してみる」
の3つをやってみるだけでいいのかもしれません。
さらに言うと食べ物から栄養を摂ることや食べる意欲を育てるための準備はほとんど赤ちゃんが生まれた時から赤ちゃんの前で自然に営まれているものですし、食べる技術の準備には授乳を通じて顎や舌を使っていたことがそのまま役立つので、スタートに際して特別に準備することは何もないのかもしれません。
そしてスタート後も、本当に赤ちゃんの栄養が母乳で足りていないのかはそもそも大人が勝手に数字とか何かのデータと睨めっこして決めるものではなくて、赤ちゃんが決めるものだと思います。
何g食べましょうとか、何を食べましょうとか、押し付けられるのはお母さんにとっても赤ちゃんにとっても本当にいい迷惑ですよね。
少し脱線しますが
医学の父のヒポクラテスは
「食事で治せない病気は医者も治せない」
「汝の薬を食事とし、汝の食事を薬とせよ」
と言っていたそうです。
私の尊敬する小児科医の1人である故真弓定夫先生も
「クスリ」じゃなく「薬(そもそもの語源は食べ物)」を食べようと仰ってました。
授乳中はクスリが飲めないから大変、なんて感じることもあるかもしれませんがそもそも今の西洋医学はアロパシー(対症療法)が主体になってしまっていて、クスリや検査が濫用されて医療費が高騰していますし、そもそも西洋医学の薬に病気の根本解決のために作られた薬はないという見方もできます。
授乳に関して良くある乳腺炎でも、「お乳のかぜ」みたいなものだと思います。
クスリに頼ったり、無理なことをするから自然に治らなくなるもので、普通はお母さんの体が熱上げて免疫力を活性化させることに専念して(それに耐えられるように水分と消化のいいものを食べることとほどほどに寝ることも忘れない)、赤ちゃんも頑張って飲んでくれたら特別なことをしなくてもそのうち治るんじゃないかと思います。
なのでお母さんがヒポクラテスや真弓先生の仰る通りに汝のクスリを薬(食事)として健康に過ごしていれば、いいお乳が出るし、よく噛んで美味しく食べてるところを見ていれば、赤ちゃんだって遅かれ早かれ来たる時期にちゃんと食べられるようになるんだと思います。
離乳食はこうあるべきとか、逆に離乳食は買えばいいとか色々極端な話が巷に溢れてますが、
まずはお母さんが美味しい良薬(食事)を大切にいただいて、それをシェアすれば良いという非常にシンプルなことなのだと思います。
もちろん、詳しい栄養学については食育講座でお馴染みのグリさんがいますし、お口の育ちに合わせた食べかたや食べ物の形態については歯科で専門的にサポートできますし、私はいつでも母乳育児を続けたいお母様の味方ですのでぜひ個別にもご相談くださいね!