桶谷式手技とは?

故桶谷そとみ氏が考案した乳房マッサージと母乳育児方法です。正式には「桶谷式乳房管理法」といいます。

第2次世界大戦の最中、母乳が足りず栄養状態が悪いために命を落としていく赤ちゃんを目の当たりにするというつらい経験から、桶谷そとみは「母乳は出るものであり、出せるようにしなければ」という思いで試行錯誤の末、お母さんに苦痛を与えず乳房の調子を整える独自のマッサージ方法を確立していきました。
また、お母さんの乳房の調子や体調が良好であること、つまり心身ともに健康であることが、その母乳を飲む赤ちゃんの健康や順調な発育につながるという「母子一体性の理念」を提唱し、哺乳動物である人間がもつ本来のリズムを大切にすることを訴えました。

その後、桶谷そとみは多くのお母さん方、医療従事者の支持を受け、多くの助産師がその技術を学びに来るようになり、1982年に、桶谷式乳房管理法研修センターを開設し、手技の伝承と多くの母子への母乳育児支援に全力を注ぎ、その生涯を終えました。
現在は、桶谷そとみの意志を引き継いだ後進達によって、桶谷式母乳育児推進協会を発足させ、桶谷式乳房管理法の正しい伝承と桶谷式乳房管理士*の育成、母乳育児支援活動を行っています。現在の会員数は549名(2023.4.20現在)。全国の助産院(母乳相談室)をはじめ、病産院で母乳育児をサポートしています。

故桶谷そとみ氏

料金

手技にかかる所要時間は概ね20分です。
手技後でお乳が柔らかくなったところで授乳の様子を見せていただいています。

お時間に余裕を持ってお越しください。 ※すべて税込価格です。

  対象 料金 説明
初診 今回のお子さんで桶谷式手技を受けられるのが初めての方 ¥6,000

初診料+手技料金の合計金額です。手技料金,授乳支援,桶谷式母乳育児推進協会発行の小冊子,桶谷タオルの料金が含まれます。身長や体重を測らせていただいた場合、母子手帳に成長記録を記入させていただきます。

再診 2回目以降の桶谷式手技 ¥4,000*

手技料金+授乳支援(必要時),母子手帳への成長記録の記入

*前回の手技から4週間以内に来院された方は時期に応じて料金が変動します。詳しくは直接お問い合わせください。

時間外 診療日以外で対応させていただいた方 ¥2000

手技料金に加算させていただく料金です

※大変恐れ入りますが基本的には対応できません

授乳支援のみ

赤ちゃん歯科を受診される方

(お子さんの保険適用)

¥0

※さかいこども歯科・矯正歯科の初診予約をお取りください。(お電話で問い合わせの上、ご予約がスムーズです)

お支払い方法

現金もしくは、クレジットカード(Visa,Master,Amex,JCB,Diners,Discover)、交通系ICやQuicPay、iDなどの電子マネーに対応しています。

手技料金は医療費控除の対象になります。領収書は忘れずお控えください。

桶谷式手技(お乳のケア)のメリット・できること

桶谷式手技は、下記のようなトラブルの自覚がある方だけでなく、特別に症状がない方であってもお乳の循環を促して健康な状態に近づけるケアです。

母乳が足りない場合

母乳分泌を促し、赤ちゃんが飲みやすくなるための手技を行います。母乳は排出した分作られるという特性に従い、赤ちゃんがより効率的に母乳を飲めるように飲み方(抱き方や口への含み方など)、飲ませ方(授乳するペースや必要時のミルクの与え方など)をともに検討します。

母乳が出過ぎる場合

お乳の量は、段々と赤ちゃんの飲む量に合わせて作られるようになるものです。しかし中にはなかなかうまくいかずに常に溜まってしまい、赤ちゃんがむせてしまうことや、時間が空かないと飲まなくなってしまうこともあります。赤ちゃんの射乳反射によって排出されるお乳になるような手技をするとともに、なるべく授乳後にお乳が残らないよう飲んだ後にはすっきりするための赤ちゃんの飲み方や飲ませ方について検討します。

つまりやしこり、白斑ができてしまう場合

乳腺の通りが悪くなってしまうことが原因のため、通りを良くして赤ちゃんがよく飲んでくれるように促します。乳腺の流れが良くなりお乳がすっきり出るようになると解消に向かう場合が多いです。また、赤ちゃんが、トラブルのある乳腺のお乳も毎回しっかり飲んでくれるような飲み方・飲ませ方についてのご相談も承ります。

乳頭に亀裂ができてしまう場合

亀裂ができてしまう原因は、赤ちゃんの吸い方が浅いだけでなく、お乳の循環が良くないために乳頭や乳輪の伸展性が不良な場合に多いです。手技を受けると乳輪・乳頭も柔らかくなるので傷がつきにくく、赤ちゃんにとっても飲みやすい状態になります。傷の痛みは授乳をお休みすると少し和らぎますが、お乳の循環がよくない状態だと飲ませ始めればまた傷になってしまいます。痛みの少ない授乳の仕方を工夫し、思うように授乳ができなくても母乳分泌を維持させられるような方法を一緒に考えます。

直接授乳が出来ない場合

赤ちゃんにお乳を吸いたい意欲はあるが、まだ単にコツをつかんでいないために吸い付けないという場合と、そもそも哺乳瓶に慣れてしまったり直接授乳に苦手意識が生まれてしまったりしているなどで、お乳を近づけただけで嫌がってしまう場合もあります。その他にも、何らかの理由で急に赤ちゃんが飲まなくなってしまったり、飲みながら怒ったり引っ張ったりする場合もあります。
赤ちゃんが直接の授乳の姿勢になった時、まずは安心して少しずつ授乳を練習しようという気になってもらうことが重要です。そのために出来る自宅での練習方法を、実際の授乳の様子を見させてただくことで探り、さらには手技(マッサージ)で吸い付きやすく、出やすいお乳へと整えていきます。

卒乳・断乳の後のケア

お乳が溜まった状態になると、身体がもう作る必要がないことを認識してお乳を作る機能は低下していきます。お乳の止まるペースは授乳の回数や体質によって人それぞれですが、自覚症状がなくてもしこりやつまりのある状態で止まってしまうことで古いお乳が残ったままの状態になる場合もあります。そこで、お乳を溜めた状態にして母乳分泌を少なくするとともに、何回か丁寧に搾乳することで古いお乳がなるべく残らないようにします。卒乳・断乳時のしこりや乳腺炎の予防のために事前に手技を受けられることもおすすめしています。

その他のご相談内容

母乳と並行する離乳食の与え方、離乳食の進め方や食材の選び方、復職後の母乳の続け方、赤ちゃんが乳首を噛んでしまう時の対処法等、授乳や赤ちゃんの成長発達に関わることでしたら殆どの場合、桶谷式手技を受けながらご相談いただくのがお勧めです。ご不明点があればお気軽にお問い合わせください。

桶谷式手技の流れ

授乳や育児に関するお話を伺いながらケアさせていただきます。

桶谷式手技

ベッドで横になっていただき、温かいタオルを当てながらマッサージをしていきます。

脱ぎ着のしやすい、上下別の服装でお越しいただくことをお勧めします。

普段の授乳の様子やお母さんの希望の授乳の仕方についてお伺いいたします。
ベッドには穴の空いた壁がついています。外からお乳やお顔は見えることはほぼありませんが、一緒にいる赤ちゃんが穴から外を覗いたり、おもちゃを落としたり、つかまり立ちして遊んでいたりもします。
赤ちゃんはお母様の隣で寝ていたり、遊んでいたり、アシスタントスタッフが抱っこしていることが多いです。(もちろん付き添いの方に抱っこしてもらうことも可能です)

授乳支援

手技後に、授乳の様子を確認させていただきます。
抱っこの仕方や飲み方がよりよい方法になるように提案させていただきます。

詳しくは「授乳支援」のページをご覧ください。

必要なもの

  • フェイスタオル3枚
  • 桶谷タオル(初診の際にお渡しいたします)
  • ビニール袋(濡れたタオル用)
  • 母子手帳
  • 哺乳瓶/ミルク(お湯はご用意しております)
  • おむつ/おしりふき
OPPA!桶谷式母乳育児ママサポートサイト